ワインでもなく、ビールでもない。でも、そのどちらにも通じる魅力を持つお酒、それがシードル(Cidre)。りんごを発酵させて作る発泡酒で、フランスやスペインを中心に愛されています。シュワシュワと弾ける泡の中に広がるのは、りんごの甘酸っぱさと爽やかな香り。飲んだ瞬間、口の中がぱっと明るくなるような感覚になるのが特徴です。
私がシードルの美味しさに目覚めたのは、とあるビストロでの食事でした。グラスに注がれた淡い黄金色の液体から立ち上る、ふわりとしたりんごの香り。ひと口飲んでみると、甘みと酸味のバランスがちょうどよく、程よい発泡感が心地いい。そして驚いたのは、目の前にあった白身魚のグリルとの相性の良さ。シードルのフレッシュな酸味が、魚の旨みをさらに引き立ててくれて、その瞬間、「シードルって、食事と合わせるとこんなにも輝くんだ!」と感動したのを覚えています。
そんなシードルの魅力を、ご紹介します。
シードルってどんなお酒?
シードルは、りんごを発酵させて作る発泡酒。アルコール度数は3〜7%程度と、ビールやワインよりも軽めで、ぐいっと飲める心地よさがあります。ワインと同じように、甘口から辛口までバリエーションがあり、産地によって味わいも異なります。
フランス・ノルマンディー地方やブルターニュ地方は、シードルの名産地として有名。ここで作られるシードルは、酸味と渋みのバランスが取れていて、料理と合わせやすいものが多いです。一方、スペイン・バスク地方のシードル(サガルドアと呼ばれる)は、酸味がしっかりとしており、よりドライな味わいが特徴。
日本でも、最近は長野や青森など、りんごの名産地で本格的なシードルが作られるようになってきました。国産のシードルは、フレッシュで飲みやすいものが多く、初心者でも楽しみやすいのが魅力です。

料理とのペアリング:りんごの爽やかさが生み出すマリアージュ
シードルの魅力は、何といっても料理との相性の良さにあります。りんご由来のフルーティーな香りと発酵による酸味、そして炭酸の爽快感。このバランスが、さまざまな食材の美味しさを引き立ててくれるのです。
① 魚介類 × シードル
シードルの軽やかな酸味と泡立ちは、魚介の旨みとよく合います。例えば、牡蠣とのペアリングは特におすすめ。レモンを絞ったような感覚で、シードルの酸味が牡蠣のミネラル感を際立たせてくれるのです。また、白身魚のグリルとも相性抜群。シードルのやさしい甘みが、魚の淡白な味わいを引き立ててくれます。
② チーズ × シードル
ワインとチーズの組み合わせは定番ですが、実はシードルも負けていません。特に、カマンベールチーズやコンテチーズとの相性は最高。シードルの酸味と泡が、チーズのコクを軽やかにまとめてくれます。フランス・ノルマンディー地方では、カマンベールとシードルを合わせるのが伝統的な楽しみ方なんです。
③ 豚肉料理 × シードル
豚肉とりんごの組み合わせは、フランスやドイツでは定番のマリアージュ。例えば、ローストポークのりんごソースやソーセージとザワークラウトなど、シードルの甘みが豚肉のジューシーな旨みを引き立ててくれます。脂っこさを爽やかに流してくれるので、後味もすっきり。
④ スイーツ × シードル
シードルとデザートの組み合わせも、ぜひ試してみてほしいところ。特に、アップルパイやタルトタタンとの相性は王道です。同じりんごを使ったスイーツなので、味わいの一体感があり、デザートの甘さをより引き立ててくれます。
おすすめシードル
シードルの魅力をもっと楽しみたい方へ、おすすめシードルをピックアップしました!日本の人気シードルから、本場フランスやスペインの伝統的なシードルまで、幅広く揃っています。
1. AWA(青森・A-FACTORY)
青森県産りんごを100%使用し、フレッシュで爽快な味わいが特徴のシードル。食事との相性も抜群!
▶ 商品ページ:AWA シードル
2. 小布施シードル(長野・小布施ワイナリー)
長野県・小布施ワイナリーが手掛けるシードルで、自然な甘さとキレのある酸味が楽しめます。
▶ 商品ページ:小布施シードル
3. デュポン Cidre Bouché Brut(フランス・ノルマンディー)
伝統的な瓶内二次発酵で作られる、辛口シードル。りんごの芳醇な香りが楽しめる一本。
4. サピアイン シードラ ナトゥラル プレミウム(スペイン・バスク)
スペインのバスク地方で作られるナチュラルなシードル。発酵のニュアンスが強く、食事とよく合います。
▶ 商品ページ:サピアイン シードラ ナトゥラル プレミウム
シードルで食卓をもっと楽しく
シードルは、ワインほどかしこまらず、ビールよりもエレガントに楽しめる、ちょうどいいバランスのお酒。食事と合わせると、その真価を発揮するのも魅力のひとつです。
「ワインはちょっと難しそうだけど、食事に合うお酒を楽しみたい」
「ビールもいいけど、たまにはフルーティーで爽やかなお酒を飲みたい」
そんな気分の日には、ぜひシードルを試してみてください。食卓にりんごの香りがふわっと広がり、いつもの料理がより楽しく、美味しくなるはずです。
今度、ビストロやカジュアルなフレンチレストランに行ったら、シードルを一杯頼んでみませんか? シードルの泡とともに、ちょっと特別な時間を過ごしてみてくださいね。